南海トラフの被害想定|予想されるのは日本最大級!

はじめに

この記事のながれ
<前半>土地の被害について
<後半>内閣府発表の被害想定まとめ

前半に被害の出やすい土地について紹介します。知っておくことで、個人でもできる対策はあるはずです。

まずは、地震の強さに関する基本用語を紹介しておきます。

  • マグニチュード
    地震エネルギーの強さで、地震そのものの大きさ。
    マグネチュードが1違うと、32倍のエネルギーの変化となります。
  • 震度
    各地の揺れの度合いで、観測地点でのゆれの強さ。
    1から最大7まで9段階。5と6には「弱」と「強」があり、9段階となります。
  • 地震波
    地中や地表をつたわるエネルギーの波。
    ある地点における震源のゆれは、波となって地中や地表をつたわります。

つぎに地震の振動の周期(揺れ方)についてです。

  • 0.5秒以下:極短周期
    最も破壊力があり、室内の家具や物が壊れます。
  • 0.5~1秒:短周期
    人間がもっとも感じやすい振動です。
  • 1~2秒:稍(やや)短周期
    家屋がもっともゆれ、破壊されやすくなります。
  • 2~5秒:稍(やや)長期
    巨大タンクや鉄塔が大きくゆれます。
  • 5秒以上:長期
    高層ビルなどがゆっくりゆれます。

このように地震によって、その周期時間と影響は変わります。

南海トラフ地震、広い範囲と甚大な被害で日本最大級の地震となります。考えただけでおそろしいです。

でも、何も知らずおそれるよりも、あらかじめどんな被害がでるか知っておきましょう。

被害想定することで、それに対する対策が取れます。

まずは、あなたの住んでいる地域が地震に強い土地か、それとも弱い土地なのか見てみましょう。

土地による地震被害の違いはどこにあるのか

海岸・湖沼・湿地を埋めたてた土地は、山地や台地に比べて2~2.5倍くらい揺れます。

揺れやすい土地

かたい地盤とやわらかい地盤では、震度2くらいの差がでます。

かたい地盤で震度4でも、やわらかい地盤では震度6となることもあります。

また大規模な盛土住宅地は、地震のときに崩壊する危険があります。

地震のときに道路が陥没するのは、ほとんど盛土した土地です。
 

地震と断層

地震は断層の近くでよく発生し、断層は地表によく見られますが、じつは地下にもたくさんあります。

13万年前以降に活動した痕跡があり、再度活動する可能性がある断層を活断層といい、日本には2,000以上の活断層があります。

地震が起こることで新しく断層は発生し、断層の大きさは地震の規模とだいたい比例しています。

  • ≪阪神淡路大震災:1995年≫
    マグニチュード7.3、水平2m、上下50cmの断層が発生。
  • ≪東日本大震災:2011年≫
    マグニチュード8.4、上下3mの断層が発生。
  • ≪熊本地震:2016年≫
    マグニチュード6.5、水平2m、上下50cmの断層が発生。

液状化現象

つぎの土地は、砂の層に水分が多量に含まれます。

  • 河川が運搬してきた砂などでできた低地
  • 埋めたて地
  • 元が河川や湖
  • 三角州(河口付近に土砂の堆積でできた土地)
  • 泥質の谷底平野(山間部の谷底に土砂の堆積でできた土地)

液状化現象は、このような地下が砂の層でできた土地で発生しやすくなります。

東日本大震災では路面が浮いたり沈んだり、波打ち状態になった事例もあります。

液状化する地域は、地震のゆれも大きくなりますので要注意です。

液状化現象の原理

地震のない時は、砂の粒子が互いにくっついています。

砂のあいだは、地下水で満たされています。


 
地震がおきると砂の粒子がたがいに離れ、地下水の中に浮いた状態になります。

地震のゆれで地下水は噴きだしたり、砂が噴きだしたりします。


 
地盤沈下がおこり、建造物はかたむき下水管などが破裂します。

住宅がわずか数度でも傾くと平衡感覚がくずれ、私たちは正常な暮らしができなくなります。


 
まがりくねった河川を直線状に改修し、その土地を公共施設や住宅地にしているケースも多くあります。

国土地理院の地図で、昔の写真も検索できるので、自宅のある地域を一度調べてみましょう。

南海トラフの被害想定と阪神・淡路大震災、東日本大震災との比較

内閣府が提供している被害想定をまとめました。

冬の夕方、風速8m/s、早期避難率が低い、このような条件下での被害想定です。

被害が想定外とならないように、条件は最悪なケースが設定されています。

過去の災害と比較しやすいように、被害数を四捨五入しているので、あらかじめご了承ください。

●阪神・淡路大震災(1995年)
●東日本大震災(2011年)

建物、人的被害

阪神・淡路大震災での犠牲者のおおくは、1981年以前に建築された木造家屋が倒壊し、家屋の下敷きになっての圧迫死でした。

東日本大震災での犠牲者のおおくは、津波に巻き込まれたことによる水死でした。

  • 阪神・淡路大震災
    全壊10.5万棟 半壊14.4万棟 全焼0.7万棟
    死者・行方不明者0.6万人 負傷者4.3万人
  • 東日本大震災
    全壊・半壊合わせ40万棟
    死者・行方不明者1.8万人 負傷者0.6万人

南海トラフ地震による被害の最大は、
全壊151.5万棟、死者30.5万人を想定

被害想定の内訳です。

  • 地震のゆれによる被害
    全壊家屋 62.7万~134.6万棟
    死者数 3.8万~5.9万人
    救助要請者数 14.1万~24.3万人
  • 津波による被害
    全壊家屋 13.2万~16.9万棟
    死者数 11.7万~22.4万人
    救助要請者数 2.6万~3.5万人
  • 火災による被害
    焼失家屋 4.7万~75万棟
    死者数 0.26~2.2万人
  • 液状化による被害
    沈下する家屋 11.5万~13.4万棟

過去、建物の耐震基準は改正されてきました。

1981年「壁量強化」、2000年「地盤調査の事実上の義務づけや壁の配置のルール化、補強金物の義務づけ」

耐震基準改正以前の建物は、耐震強度が低くなっています。

あなたのご自宅を建築されたのはいつですか。

経済的被害

阪神・淡路大震災では約10兆円、東日本大震災では約16~25兆円の被害となりました。

  • 阪神・淡路大震災
    約10兆円規模
  • 東日本大震災
    約16~25兆円規模

南海トラフ地震では最大で、
220.3兆円の経済損失を想定

被害想定の内訳はつぎの通りです。

  • 被災地 97.6兆~169.5兆円
  • 全国 35.1兆~50.8兆円

全国の被害の内、生産・サービス低下に起因するものが30.2兆~44.7兆円、交通寸断に起因するものが4.9兆円~6.1兆円となります。

ライフライン被害

大地震では、ライフラインにも多大な被害がでます。

  • 東日本大震災
    停電世帯 800万戸以上
    断水世帯 180万戸以上

南海トラフ地震の被災直後のライフライン被害想定です。

  • 水道断水
    被害者数 3440万人
    復旧目安 1週間~2ヵ月
  • 下水道の利用困難
    被害者数 3210万人
    復旧目安 数日~1カ月
  • 停電
    被害件数 2710万軒
    復旧目安 数日~1カ月
  • 通話不能
    固定電話 930万回線
    復旧目安 1週間~1カ月
    携帯電話 基地局の非常用電源供給が停止する1日後に停波が最大
    復旧目安 数日~1カ月
  • 都市ガス
    被害件数 180万戸
    復旧目安 2週間~1.5カ月

生活への影響

阪神・淡路大震災では32万人、東日本大震災では40万人の避難者がでました。

  • 阪神・淡路大震災
    避難者数32万人
  • 東日本大震災
    避難者数40万人

南海トラフ地震では最大で、
避難者数950万人を想定

  • 避難者数
    断水の影響 950万人
    避難所へ避難 500万人
  • 被災都府県で対応困難な患者数
    入院 15万人
    外来 14万人

発災後3日で物資も不足します。

食料は3200万食、飲料水は4800万㍑、毛布は520万枚にも及びます。

避難者は避難所以外にも、空き地や公園などに避難するようになり、一時的に帰宅困難となる人は、中京・京阪神の都市圏で1060万人を想定しています。

内閣府の予想

南海トラフ地震での被害が大きいか小さいかは、過去の震災例との比較で見えてきます。

近年で最大の被害となった、東日本大震災との比較表です。

東日本 南海トラフ
建物 40万棟 151.5万棟
死者 1.8万人 30.5万人
経済 16~25兆円 220.3兆円
停電 800万軒 2710万軒
避難 40万人 950万人

南海トラフ地震の被害想定がどれほどのものかわかると思います。

さいごに

こんな甚大な被害が想定されているのなら、予めできることはないのでしょうか。

被害を最小限にするために、個人的な備えもできるはずです。

あなたの大切な人たちにも知らせてあげてください。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

この記事もオススメ!